災コラム

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トコジラミは屋外から連れてくる!吸血されないためのトコジラミ対策

2024/05/17

「トコジラミ」の名前を知っている方は、最近多くなっているはずです。トコジラミの被害相談がここ数年で増加しており、テレビで多く報じられているからです。

今回はトコジラミ被害が急増している理由や、トコジラミの予防法や駆除方法などの対策を紹介します。また、この季節から活動が活発になる他の害虫についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

そもそもトコジラミとはどんな虫なのか?

トコジラミと一円玉のサイズ比較

トコジラミとは人間や動物の肌にとりついて吸血する虫で、昔は南京虫(ナンキンムシ)と呼ばれていました。吸血中は血液が固まるのを防ぐために唾液を注入しますが、この唾液がアレルギー反応を起こして激しいかゆみを引き起こし、刺された跡には発疹が残ります。

ここでは、人や動物にとりついて吸血するトコジラミとは、どんな虫なのかお伝えしましょう。

体長約5ミリでカメムシの仲間で夜行性

体長は約5ミリで「シラミ」と名前がついていますが、意外にもカメムシの仲間です。住宅内で発生することはなく、家具や荷物、服やズボンなどに付着して外から侵入し、住宅内で増殖します。

トコジラミは夜行性で、家具の隙間やカーペットの裏側、本の間にも潜んでいます。ベッドの近くにも多く潜んでおり、無防備な就寝中に吸血させることがほとんどです。

刺されるとかゆみで寝られないほど「かゆい」

無視に刺されている人のイラスト

先に触れていますがトコジラミは、吸血時に血が固まらないように唾液を注入しますが、この唾液によるアレルギー反応でかゆみが発生します。

しかもほとんどのケースで、複数箇所から吸血するため尋常ではないかゆさに見舞われます。その程度は個人差があるものの、刺された方の感想は「夜も眠れないほどのかゆさ」だそうです。

このような症状を聞くと「絶対に刺されたくない!」と、誰もが思ってしまうでしょう。

トコジラミの被害はかゆみだけじゃない

トコジラミに刺されると「夜も眠れないかゆみ」を発症しますが、かゆみに伴う二次被害など深刻な症状に見舞われることも珍しくありません。

  • 刺された箇所をかきむしって皮膚が炎症を起こす
  • アレルギー反応によって発熱を引き起こす
  • かゆみのあまり不眠症になる
  • かゆみによるさまざまな症状で神経障害が起きる

このような症状が起きるため、たかがトコジラミと侮る訳にはいかないのです。

トコジラミのイラスト

トコジラミは江戸末期にオランダ船から日本に持ち込まれ、当時は南京虫とよばれて日本各地で被害が発生しています。

ただ、戦後になり強力な殺虫剤が開発されて減少。1970年代には南京虫は姿を消したといわれています。そんな虫がなぜ近年日本国内で、大量発生しているのでしょう。

東京都内のトコジラミ相談件数は増加している

出典:厚生労働省の「令和5年度生活衛生関係技術担当者研修会」資料



このグラフは2024年2月16日に開催された厚生労働省の「令和5年度生活衛生関係技術担当者研修会」の資料から抜粋したものです。

東京都に限っての相談件数ですが、東京都ペストコントロール協会への「トコジラミの相談件数」が、2023年度は300件を超えています。

東京都ペストコントロール協会は公益社団法人であり、ネズミや害虫などの有害生物の防除や駆除、調査研究、啓発活動、害虫相談などを行う団体です。資料ではトコジラミがまん延する背景として、次のような状況があると警告しています。

  • 生息や持ち込みに気づきにくい
  • -小さい、夜間活動性、トラップで捕獲しにくい

  • 気づいても駆除が困難
  • -殺虫剤を到達させにくい、ピレスロイド※抵抗性、宿泊施設では全館同時駆除が困難

  • 人の移動が増大
  • -人の荷物によって運ばれる、コロナ後の人流が拡大

    -客に知られたくない、安価に駆除したい、殺虫剤で簡単に駆除できるという思い込み

※ピレスロイドとは、蚊取線香の材料となる除虫菊花の殺虫成分“ピレトリン”と、よく似た合成化合物の総称で、多くの殺虫剤で使用されていうます。(編集部追記)

トコジラミは旅行者や海外からの荷物に紛れてやってくる

2024年3月2日に公開された読売新聞オンラインによると、近年フランスや韓国でトコジラミが大量発生し、旅行者のトランクや荷物に紛れて国内に持ち込まれるケースが増えていると報じられています。

ホテルで旅行者のスーツケースに忍び込む

トコジラミは海外旅行先のホテルで、スーツケースの中に忍び込むことが多いそうです。ホテルの部屋に入り着替えや荷物を出す際に、スーツケースを長時間開いたままの状態で放置する方も多いでしょう。

その間にホテルの部屋にいたトコジラミがスーツケース内に忍び込み、そのまま日本に連れ帰ってしまいます。その逆に、海外からの旅行者が日本のホテルでスーツケースを開いたままにすることで、ホテル内にトコジラミが住みつくケースもあります。

海外からのダンボールにトコジラミが潜んでいる

海外からの荷物がダンボールで送られてきた際には、あらゆる隙間にトコジラミが潜んでいる可能性が高いです。

また、幼虫や成虫がいなくても、ダンボール内に卵を産み付けていることもあり、家の中で放置するとトコジラミが住みつくこととなります。

トコジラミへの効果的な対策!予防と駆除方法

弱ったトコジラミのイラスト

トコジラミは刺される被害が起きる前に、予防しておきたいと誰もが思うでしょう。

また、万が一刺されてトコジラミを発見した際には、どのような駆除方法が有効なのか知りたい方も多いはず。

そこでここでは、トコジラミから刺されない予防方法と自分で可能な駆除方法を紹介します。

トコジラミの予防方法

トコジラミからの被害を予防するには、次のような方法が有効です。

  • トコジラミが好む隙間は特に重点的に掃除機をかける
  • 部屋に隙間のあるところは目張りをして隙間をなくす
  • ベッドや布団の周りには不用品を置かず、整理整頓して掃除機をかけやすくする
  • 掃除機から抜け出さないようポリ袋等に入れる

掃除機で吸い取ったゴミはすぐにゴミ袋に密閉しますが、ヘッドのブラシ部分や掃除機内部の隙間に潜んでいる可能性もあるため、ポリ袋等で掃除機を包み込みます。

掃除機をマメにかけることは誰もが実行できますが、目張りや掃除機をポリ袋に入れるなどは面倒なのでやらない方がいるかも知れません。しかし、刺されてかゆい思いをすることを考えれば、面倒でも実行することをおすすめします。

トコジラミを見つける方法

トコジラミを見つけたなら掃除機で吸い取ったり、粘着テープで退治したりすることができます。

しかし、夜中に刺されてもどこにトコジラミが潜伏しているのか分からないケースも多いです。そこで先ず、トコジラミが潜伏しているとされる場所を探して、本体を見つけましょう。

  • 家具と壁の間
  • 天井や壁の角
  • ダンボールの中
  • ファスナーの縫い目
  • ベッドや布団の周辺や窓回り
  • マットレスの四隅や縫い目、折り返しの部分
  • スーツケースのタイヤの隙間やカバンのポケット、縫い目

トコジラミの駆除方法

次にトコジラミの駆除方法を紹介しますが、どれも対処療法であって家中のトコジラミを根絶できる方法ではありません。

掃除機で吸い取る

トコジラミの本体をめがけて、確実に掃除機で吸い取ります。吸い取った後のゴミとトコジラミはポリ袋などに密封して、家の外のゴミ箱に捨てましょう。

ガムテープや粘着テープを使用する

トコジラミの本体やフン、幼虫、卵などは、ガムテープや粘着テープに貼り付けて駆除します。

素手で潰さないように注意して、ガムテープや粘着テープをポリ袋に密閉して捨てます。

トコジラミに効く殺虫剤を使う

有効成分がプロポクスルまたはメトキサジアゾンの殺虫剤が、トコジラミには効果があります。

最も一般的なピレスロイド系殺虫剤はトコジラミに効かないことが多いため、売店で「トコジラミに効く殺虫剤はどれ?」と、質問して購入しましょう。

ダンボールは家の外で開けてそのまま捨てる

ネットで購入した際に届く荷物の多くは、ダンボールに入れて届けられます。その際にダンボールの送付先が、海外でなく国内でも家の外で梱包を解きます。

そして、中身だけ家の中に持って入ります。ダンボールはその場ですぐに解体して、家の中に入れないようにしましょう。

トコジラミは熱には弱い

トコジラミは熱には弱く、50℃なら30分・60℃=10分以上・80℃=5分・100℃=数秒で死に至ります。そのため、次のような熱を使った駆除方法がおすすめです。

  • 対象範囲を60℃のスチームクリーナーで10分以上掃除する
  • 80℃程度の熱湯で衣類や布類を5分以上洗濯する
  • 乾いた衣類を高温の乾燥機にかける

このような手段が効果的ですが、どんな場所、どんな衣類にも適用できる方法ではありません。そのため、対応できる箇所や衣類が限定されるのが残念です。

駆除方法を試しても刺されるなら専門業者に依頼しよう

先に紹介した予防法や駆除方法を試しても、まだ夜中にトコジラミに刺されて困っているなら、専門業者への依頼がベストです。

どうしても素人では限界がありますし、24時間ずっとトコジラミ退治をすることは不可能です。費用がかかりますが、専門業者なら素人では扱えない効果の高い殺虫剤の使用も可能なため、確実にトコジラミを退治できます。

トコジラミ以外のこれから夏にかけて注意したい害虫

蜂を警戒する親子のイラスト

トコジラミ以外にも、これから夏にかけて注意したい害虫は多く存在しています。特にスズメバチは要注意で、できるなら巣が小さいこの時期に駆除しておきたい害虫です。

ここでは、これから夏にかけて注意したい害虫を紹介しますので、退治できる害虫はやっつけておきましょう。

スズメバチは5月上旬から中旬に巣づくりを開始

スズメバチの巣を退治するシーンがよくテレビで放送されますが、マーブル模様でサッカーボール以上の大きさの巣が駆除されるシーンが多いです。

しかし、最初はこの5月上旬から中旬にかけて、女王バチ1匹で巣づくりが開始されます。初期の巣はとっくりを上下さかさまにしたような形が特徴で、中には最初の働きバチの幼虫がいます。

約1か月半で働きバチが成虫になり、それからはあっという間に大きな巣と大量のスズメバチが居座ることとなります。

そのため、スズメバチを駆除するならこの時期が最適なので、自宅の回りをスズメバチが飛んでいたら巣を作っていないかよく確認しましょう。

イエダニ

イエダニも、トコジラミと同様に人から吸血します。イエダニは5月上旬から発生して6~9月に繁殖のピークを迎えます。

ただし、イエダニは基本的にネズミに寄生しているため、住宅内でイエダニが発生している場合はネズミもいるはずです。そのため、イエダニを見つけたなら害獣&害虫駆除業者に相談することをおすすめします。

ダニ

5月はハウスダスト1g中に、ダニは300匹前後いるといわれていますが、夏に増殖して7月には900匹前後と約3倍にもなります。

対策はこまめな掃除が最も有効です。部屋の中にホコリを溜めずに、掃除機で毎日きちんと掃除すれば、ゼロにはなりませんが健康被害を心配しなくて済む数まで減らせます。

ヤマトシロアリ

ヤマトシロアリは4月下旬から5月にかけて繁殖期を迎え、大量の羽アリが一斉に巣立ちします。その数は数千匹にもおよぶため、5月がシロアリの問い合わせが最も多い時期となっているようです。

住宅内で羽アリを見つけたらそのまま放置しないで、すぐに専門業者に相談しましょう。放置すると軒下などの木材を、食い荒らされる結果になってしまいます。

まとめ

今回は、話題になっているトコジラミについて、どこからやってくるのか、予防法、駆除方法など詳しく紹介しました。

トコジラミはとにかく家の中に入れない工夫が重要ですし、掃除機によるこまめな掃除が効果的です。

また、これからの季節から夏にかけて注意したい害虫も掲載しました。特にスズメバチはこの時期に巣づくりを始めるので、今見つければ早期の駆除が可能です。

記事内で紹介しているいずれの害虫も、自分で駆除できれば問題ありません。しかし、駆除が難しい場合は放置しないで、専門の業者に相談しましょう。大きな被害を受けてからだと、余分な出費が発生してしまいますので、早めに対策をすることをおすすめします。

栗栖 成之

1963年広島県呉市生まれ。現在は兵庫県に在住し、1995年阪神淡路大震災を経験。
2014年からWEBライターを開始して、執筆した記事は3,000以上。
2017年に防災士を取得し、現在防災関連の記事も多数執筆中!