災コラム

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夏こそ必要な節電対策!猛暑を乗り切る対策法を解説

2022/07/21

「2022年・夏」今年の夏は、異常な状態から始まっています。

史上最速の梅雨明けから一気に気温が上昇し、連続する猛暑日。さらに、さまざまな要因から企業のみならず一般家庭にまで、7年ぶりの節電要請が行われるなど、猛暑に加えて電力不足も深刻化しています。

ここまでの異常は珍しいことです。そこで、今回は夏こそ必要な節電対策として、猛暑を乗り切る対策法を解説します。

エアコンは自分の体に合わせて使用するのがベスト

エアコンの節電については、家庭環境がさまざまなので、一様に「こうすればいい」とはなりません。

防災で考えると避難は必要ですが、避難所に避難するのか、自宅に避難するのか、それとも車中泊やテントで避難するのか、それぞれの家庭で判断は異なります。

エアコンの使い方も24時間つけっぱなし、夜はエアコンを切って扇風機で対応、タイマーで操作など、生活環境や体感によって異なってきます。

つまり、エアコンを節電しながら利用するのは、それぞれの環境に合わせて利用するのが一番でしょう。

因みに私は「ドライ・設定温度30℃」+扇風機で対応

因みに私のエアコンの使い方は、冷房でなくドライにして、設定温度は30℃にしています。

部屋の広さは6畳ほどで、仕事上デスクトップパソコンを使用するため、パソコンに向かって扇風機で風を送って、パソコンの冷却と部屋の空気のかくはんを狙っています。

パソコンが熱を持つと冷却ファンが勢いよく回って、消費電力が0.6KWから1KWほどアップしてしまうのです。でも、常時扇風機で風を送っているとファンは静かなので、意外に節電効果は高いですよ。

待機電力がもったいないなら、できる範囲で不要なコンセントを抜く

テレビなどでよくいわれる、待機電力を気にする方も多いです。

確かに、家庭での消費電力全体の約5.1%が待機電力といわれているので、日本の全ての家庭の待機電力を計算すると大きな電力量になってきます。

だからといって、家中のコンセントを抜いてしまうのは無理があります。まず、資源エネルギー庁が公表している家庭内の待機電力を、一覧で見てみましょう。

1位 ガス温水器
2位テレビ
3位エアコン
4位電話機
5位BD・HDD・DVD
6位温水洗浄便座
7位パソコン
8位 電子レンジ・オーブンレンジ
9位パソコンネットワーク機器
10位インターホンセット

上記の、家庭内の待機電力トップ10を見て、コンセントを抜くことができる製品はいくつありましたか?

ほとんど毎日使用する電化製品ばかりで、コンセントを抜いて待機電力をなくすのは難しいのが分かります。ですから、テレビなどでいわれている、電化製品のコンセントを抜いて待機電力をなくすことは、推奨できません。その理由を、次に解説しておきますね。

コンセントの抜き差しで身体を痛める結果になるかも

先ほどのトップ10の中には、コンセントが隠れた場所にあったり、高所にあったりする製品もあります。また、ガス温水器などはコンセントを抜くことができません。

使用の度にコンセントを抜き差ししていると変な姿勢となり、身体を痛めたり椅子から落ちてケガをしたりすることもあります。

家庭内のあらゆる電化製品のコンセントを抜くのではなく、あくまでも安全に、できる範囲で不要なコンセントを抜くようにしましょう

NGな節電方法とは?不自由な生活になってはダメ

節電とは「電気を使う量を節約すること」ですが、節電によって生活が不自由になっては意味がありません。

また、節電は我慢大会ではないのでそれなりの知識をもって臨まないと、体調を崩してしまうこともあります。

ここでは、NGな節電法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

エアコンのON・OFFを繰返して利用する

節電は電気を使わないことだからと、部屋がある程度冷えたらエアコンの運転を停止して、また暑くなってきたら運転を再開する。

つまり、スイッチのON・OFFを繰返してエアコンを使っている場合は、全く節電対策になっていません。それでは、次の表を見てみましょう。

消費電力起動電力
200W800W

これは、小型エアコンの消費電力と起動電力の比較表です。起動電力とは、電源を入れた際に必要となる電力で、エアコンの場合は消費電力の約2~4倍の電力が起動時に必要となります。

瞬間的に消費されるのですが、スイッチのON・OFFを繰り返すと、ONの度に多くの電力を消費してしまいます。なので、エアコンのON・OFFを繰返して利用するのは節電につながらないのです。

体感温度でエアコンを利用するので熱中症のリスクが高まる

夏にエアコンをON・OFFして使用する場合は、体感温度にて「暑くなった」と感じてスイッチをONにします。

でも、暖かくなった部屋が直ぐに冷える訳ではないので、温度が下がるまでに時間の経過が必要となります。その間、気付かないうちに、熱中症になっているかもしれません。

節電しているつもりが、熱中症で倒れては本末転倒となってしまうので、スイッチのON・OFFを繰り返す使い方はいけません。

猛暑を乗り切る夏のベストな節電対策とは!

それではここで、猛暑を乗り切る夏の節電対策について解説しましょう。

エアコンの使い方は、スイッチは常時ONの方が節電効果もあり体にもいいことが分かっています。待機電力はほぼ使っていない電気製品のみ、コンセントから抜いておくことが大切です。

これら以外の節電対策は「必要ない照明は消す!」これが、ベストな節電対策といえるでしょう。

猛暑にエアコンは必須アイテム!使い方は環境次第

夏はエアコンの節電がピックアップされますが、昨今の夏場はエアコンなしでは生存に関わる事態となってしまいます。

この夏政府が「電力ひっ迫注意報」を発令しましたが、その中でも「熱中症にならない程度に、エアコンを使用する」となっています。なので、猛暑を乗り切るにはエアコンの使用は必須となり、節電方法は環境次第といえます。

オフィスなど多くの人が一緒にいる部屋では、28℃の設定でも寒いと感じる人もいれば、汗だくでハンディファンを使う人もいるなどさまざまです。

家庭でのエアコン使用も私のように設定温度30℃で大丈夫な環境もあるので、やはりエアコンの節電方法は環境次第となってきます。

こまめな消灯が最も効果的となる

エアコンは猛暑を乗り切るために必須となるので、エアコンを使用しない節電対策はあり得ません。となると、最も効果的な節電は「こまめな消灯」です。

企業では昼食時に部屋の電気を消したり、パソコンのモニターを消したりと「消灯」での節電対策を行っています。一般家庭でも同様に、こまめな消灯は節電対策に有効となります。

  • トイレの電気をつけっぱなしにしない
  • 洗面所の電気をつけっぱなしにしない
  • 人のいない部屋の電気は消す
  • リビングの電気も昼間はつけない
  • パソコンは使わないならスリープにする

これだけを気を付けるだけで、節電効果が意外にあります。

私が気を付けている節電方法は、パソコンの電源です。流石にトイレに行く程度では行わないですが、食事の時などは電源をスリープにして部屋をでます。

特にパソコンは結構熱を放出するので、こまめにスリープにすることで、パソコン自体の消費電力を抑えて部屋の温度も上げない一石二鳥の節電になります。

週末には高原キャンプに出かけるのも有効な節電対策となる

猛暑を乗り切る節電対策として「部屋を使わない」方法もあります。

週末には高原にキャンプに出かけると、エアコンもテレビもパソコンも使わないので、かなりの節電が可能です。しかも、高原でリフレッシュできるので一石二鳥以上の効果があります。

標高1,000mの山の上では気温は約6.5℃低くなる

高原キャンプは夏場でも涼しく、天然のクーラーがあるともいえます。ただし、日中は直射日光が照りつけて、30℃前後まで気温が上がることもあるので、タープで直射日光を遮ったり、木陰にテントを設営したりすると、日中でもかなり涼しく過ごせます。

高原と平地の気温差を単純に比較すると、1,000m高くなると気温は約6.5℃低くなるといわれています。平地が約36℃の猛暑となっていても、標高1,000mの高地では約29℃と涼しい気温になるのです。

エアコン・テレビ・パソコンなどのコンセントを抜いて出かけられる

週末に高原キャンプに出かけるなら、エアコン・テレビ・パソコンのコンセントを抜いて出かけることができるので、約1日半の消費電力だけでなく待機電力も節電できます。

レコーダーなどは録画が必要な場合もありますし、タイマー機能のある電化製品はコンセントを抜いてしまうと、日付や時間を再セットする必要があるので、コンセントを抜くのは要注意です。

ただ、エアコン・テレビ・パソコンなら、コンセントを抜いても支障はないはずなので、待機電力も節電できます。

高原キャンプの夜や早朝は寒いくらいなので要注意

高原キャンプでは日が落ちると、一気に気温が下がっていきます。夕食を20時ごろに食べるなら、上着が必要になるほどなので要注意です。

さらに、朝方は放射冷却によって5℃近くまで気温が下がることもあるので、寒さ対策は必須となります。標高が高くなればなるほど気温差は激しくなるので、その点は注意が必要です。

天気も変りやすいので雨具の用意も必要

高原キャンプでは、天気も変わりやすいのが特徴です。さっきまで直射日光がガンガン当たっていたのに、あっという間に曇天模様になり雨が降るなんて当たり前にあります。

高原キャンプでは、雨具も必須となることをお忘れなく。

まとめ

今回は、夏に必要な節電対策と、猛暑を乗り切る対策法を解説してきました。猛暑を乗り切るためにはエアコンは必須です。

そして、エアコンの節電法はつけっぱなしで、運転はエアコンに任すのが一番。それよりも、こまめな消灯が節電には効果的です。

また、猛暑を乗り切る確実な節電方法は、週末の高原キャンプがとても効果があります。

暑い街を離れて涼しい高原でキャンプすれば、気分もリフレッシュできて、さらに家庭の電気を使わないので確実に節電ができるメリットがあります。

暑さと闘いながらの節電よりも、いっそのこと電気を使わない高原キャンプが、一番の節電法になるかも知れませんね。

栗栖 成之

1963年広島県呉市生まれ。現在は兵庫県に在住し、1995年阪神淡路大震災を経験。
2014年からWEBライターを開始して、執筆した記事は3,000以上。
2017年に防災士を取得し、現在防災関連の記事も多数執筆中!