防災コラム
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今年のレジャーやキャンプは盛り上がる予想!色んなトラブルを防ぐ方法を解説
2023/04/21
桜の季節もアッという間に終わってしまい、初夏の日差しを感じる季節になってきました。
今年の春は夏と一緒にやってきたようで、25℃を記録する地域も多く見られます。暖かくなると人々の活動は活発になり、キャンプなどレジャーを楽しむ人が増えてくるでしょう。
特に今年はコロナ禍を乗り越えて、3年ぶりに行動制限とマスクが不要の連休を迎えるので、これまで以上に多くの方がレジャーに出かけることが予想されます。
そこで気を付けたいのが、さまざまトラブルです。今回は、多くの方がレジャーやキャンプに出かける前に、気を付けたいトラブルについて解説します。
目次
5月でも熱中症には注意が必要!早めに暑さに慣れておこう
出典:日本気象協会「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線」
https://www.jwa.or.jp/news/2023/04/19985/これは日本気象協会が公開している「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線(しょねつじゅんかぜんせん)」です。何とも読みにくく舌を噛みそうなネーミングですが、熱中症対策として暑さに体を慣らすタイミングの目安を表示したものです。
これによると、沖縄や九州では4月下旬から、中国四国地方では5月上旬、近畿から関東地方は5月中旬、東北地方や北海道は5月下旬から、暑さに体を慣らすことがよいとされています。
今年は前倒しで暑さに慣らす方がおすすめ
このタイミングはあくまでも目安であり、状況によっては前倒しで暑さに慣れておくことが大切です。
なぜ、このようなことが必要なのかというと、人間の体は暑さへの対応のために汗などによって、体から熱を外に逃がします。ところがあまり汗をかかない生活をしていると、すぐに暑さに対応できないので、熱中症になる確率が高くなるのです。
そのため、汗をかいて熱を外に逃がす練習が必要になってきます。
- 軽い運動で汗をかく
- 入浴にて汗をかく
このように、無理をしないで生活の中で汗をかくことで、熱中症にならない体を作れます。
今年も4月から汗ばむほどの気温になっているので、早めに暑さに順応する体づくりをしておくほうがいいでしょう。
海や川のレジャーは死亡・行方不明者が最も多いので要注意!
出典:政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201407/3.html暑い時期の定番のレジャーといえば「水遊び」で、海や川に出かけて楽しむ方が大勢います。しかし、海や河川での水のレジャーにおける死亡者・行方不明者はさまざまなレジャーのなかで最も多いので要注意です。
警視庁がまとめた「令和3年における水難の概況」では、水難の場所別の多さは海が49.2%と約半数となり、河川が次いで34%にものぼっています。
今年は行動制限がないので特に注意が必要
令和3年で発生した水難事故は1,395件にものぼり、人数にすると1,625人にもなっています。そのうち、744人が死亡・行方不明となっており、先のグラフはその744人の内訳になります。
ここで少し考えておきたいのが、この数字が2021年(令和3年)であることです。この年は1月・4月・6月・8月に、緊急事態宣言が発令されて行動規制が求められた年です。
つまり、最も外出しにくい年における数字なので、行動制限がない2023年ではどうなるのか心配です。
子どもから目を離さない&ライフジャケットを着用
海や川のレジャーでは、大人が気を付けるのはもちろんですが、子どもからはひとときも目を離してはいけません。
子どもの水難事故では「少し目を離した隙にいなくなった」との、親御さんの証言が多いです。
子どもの活動範囲は、大人では想像もつかない場所にまで及ぶので「ここなら目を離しても大丈夫だろう」との安易な考えは捨てなければいけません。
いつどこでも子どもから目を離さないことと、万一のことを考えてライフジャケットを着用させておくことが、水の事故からこどもを守るよい方法となります。
河川でのレジャーは上流の天候に常に注意する
近年の天気の特徴にはゲリラ雷雨があり、突発的に激しい雨と雷が発生する現象です。河川では上流で激しいゲリラ雷雨が起きると、下流側では鉄砲水などの激流が襲ってくるケースもあります。
中州などで遊んでいると突然激しい音と共に、水が襲ってきて飲み込まれてしまい大事故につながるケースも珍しくありません。
したがって、河川で遊ぶ際には上流の天気を常にチェックしておくことも重要です。
Yahoo!天気アプリなどのプッシュ通知が便利
河川でのレジャーだけでなく、外出中に便利なのがYahoo!天気アプリなどのプッシュ通知です。
スマホのGPS機能を利用して、現在地の天候の変化を知らせてくれますし、雨雲レーダーでゲリラ雷雨などを察知することも可能です。
利用したい方は、次の画像のQRコードからアプリをインストールできます。
出典:Yahoo!天気・災害
https://weather.yahoo.co.jp/weather/promo/app/潮干狩りはルールを守って!高齢者はひとりではいなかい
今年の連休は潮干狩りで浜辺もにぎわうことでしょう。これまで密を避けるために、潮干狩りを開催しない浜辺も多くありましたが、今年は潮干狩りを開催できます。
潮干狩りは、干潮時の海水のない浜辺でおこなうので、事故の心配はないと思われがちですが、今年は既に死亡者が発生してしまっています。
実は潮干狩りでも毎年のように、死亡事故が発生しているのです。
貝に夢中で気が付いたら満ち潮で溺れてしまう
潮干狩りでは、海岸の状況が潮の満ち引きによって急変するため、潮の満ち引きを事前に確認し、時間や範囲に注意を払うことが重要です。
潮の満ち引きによって、干潟が急に水に覆われることにより、足をすくわれたり、水に浸かってしまったりする危険性があります。
このような状況で死亡する事故も毎年起きているので、夢中になり過ぎないように注意しないといけません。
潮干狩り禁止区域でおこなうのは法律違反
潮干狩りでの死亡事故の多くは、潮干狩り禁止区域で「貝を独り占めしよう」との思いでおこなう行為です。
禁止区域では誰もいないはずなので、貝をとり放題なのは間違いありません。しかし、潮干狩り用に整備されていないため、砂に足をとられたり気づかない内に潮が満ちたりしても、助けてくれる人もいないのです。
その結果、残念ながら助けることができず、事故になってしまうケースが多くあります。潮干狩り禁止区域でおこなうのは法律違反ですし、とても危険なのでルールを守って潮干狩りをおこないましょう。
高齢者はひとりで潮干狩りにいかない
今年に入って潮干狩りで死亡したのは高齢者の方であり、ひとりで潮干狩りにいっていたようです。過去にも高齢者の方が、ひとりで潮干狩りに出かけて帰らぬ人となっています。
このような事例から、高齢者の方は潮干狩りにひとりでいくのは危険です。家族の方や知り合いの方など、複数人で出かけることをおすすめします。
海水浴では「離岸流」に注意が必要
今年は海水浴も大いに盛り上がることが予想されます。ここ3年間はソーシャルディスタンスが求められ、密を避けるために海の家も開業することができず、海水浴場自体が開かれない場所がほとんどでした。
しかし今年は、これまでの規制がないため盛り上がることは間違いありません。ゴールデンウィークの時期では本州や九州では海開きはされませんが、鹿児島県の与論島や沖縄では、3月下旬から4月にかけて海開きとなります。
今年のゴールデンウィークは旅行も兼ねて、南の島で海水浴を楽しむ方も多いでしょう。しかし、海水浴で気を付けたいのは「離岸流」です。
そこでここでは、離岸流と巻き込まれた際の対処法を解説しましょう。
離岸流の代表的な発生例
出典:第九管区海上保安本部海洋情報部 離岸流
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN9/ripcurrent/ripcurrent.htmこの画像は離岸流の代表的な発生例を紹介したもので、離岸流とは岸から沖に向かって流れる潮のことです。
幅は約10m~30mとまちまちで、いつ起きるか予想がつかない現象なので、誰もが巻き込まれる可能性があります。
画像のように上空から説明されれば「なるほど!」と思えますが、浜辺からは素人が離岸流の発生を見分けるのは不可能です。そこで重要なのは、万一離岸流に巻き込まれた際の対処法となります。
離岸流に巻き込まれた際の対処法
出典:第九管区海上保安本部海洋情報部 離岸流
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN9/ripcurrent/ripcurrent.htm離岸流に巻き込まれたなら、パニックにならないことが最も重要です。とはいっても、どんどん沖に流されていくのでパニックになるのは当然でしょう。
ただ、助かるには海面に浮くことが重要であり、慌てず浮くことに専念することを覚えておくだけで、助かる確率はグンとアップします。
その上で、さらに次のような対処法ができれば、より助かる確率が高くなります。
- 助けを求める
- 岸に平行に泳ぐ
- パニックにならない
- 海面に浮くことに専念する
これらが、離岸流に巻き込まれた際の対処法になります。あとは、海ではライフジャケットを付けておくか、ビーチボードや浮き輪など「浮くためのアイテム」を持って海に入ることがおすすめです。
また、必ず監視員やライフセーバーのいる、正式な海水浴場を利用することも重要です。
海でのレジャーでやってはいけない行動を解説
ここでは身の安全を守るために、海のレジャーでやってはいけない行動をまとめました。安全に楽しむためには、ルールや節度は守った上で遊ぶことが、身を守る最大の武器になりますからね。
- 悪天候のときに海に近づかない
- 遊泳禁止区域で泳いではいけない
- 浮き輪など何も持たずに海に入ってはいけない
- 子どもから目を離してはいけない
- 飲酒して海に入ってはいけない
- ひとりで海に入らない
安易なキャンプは危険がいっぱい!ルールを守ってトラブルを回避
コロナ禍ではソロキャンプなどが流行し、落ち着いてきた現在ではキャンプ道具をリサイクルショップに売る方が増えているようです。
しかしながら、今年の夏はキャンプブームが再燃する予感がします。これまでは、人との距離を置くためのソロキャンプがトレンドでしたが、今後はファミリーで楽しむファミリーキャンプが増えるような気がします。
そこでここでは、キャンプをはじめる際に注意したい点を解説しましょう。
河原や山の空き地でなく、キャンプ場でおこなうことが重要
キャンプといえば、テントを張ってたき火を起こし、自然のなかで料理を食べることをイメージします。正にその通りなのですが、キャンプをするならどこでもいいと思っていませんか?
実は多くの方が誤解していることが、「河原でキャンプをしてもいいだろう」ということです。
しかし、キャンプは設備の整ったキャンプ場でおこなうことが正解です。ネット上には法律で「河原や河川敷では許可なくキャンプができる」との解釈がありますが、これはテントを張ることは問題ないということであり、火を使って料理をするなどの行為は、ほぼ禁止されています。
さらに、キャンプで重要なのはトイレ問題で、トイレのない河川敷でキャンプをすればどうなるでしょう。考えれば誰もが分かると思いますが、河原を汚すことがほとんどです。
これらは、これまでも多くの場所で問題となっていて既に実証されています。
キャンプを楽しむなら、設備の整ったキャンプ場でおこなうのが常識です。
昼と夜・明け方の寒暖差に注意!寝袋は必須アイテム
キャンプで多い失敗談は寒暖差を考慮しないで、朝晩の冷え込みで体調を崩してしまったことです。5月の連休では現状のままでいけば、昼間は夏日になる地域も多いようです。
そのため、キャンプにおいてもテントを張ったり、火を起こしたりと体を動かしていると、昼間は半袖でよいくらいでしょう。しかし日が暮れて、夜になるにつれ気温が下がってきて、寒さを感じるようになります。
「暑いから寝袋などいらない」と、寝る際の防寒対策をしていないと、結局テントではなく駐車場の車の中で寝ることとに成り兼ねません。
夏のキャンプでも寝袋は必需品なので、キャンプアイテムはしっかり準備することが重要です。
初心者におすすめ!オールシーズン対応の寝袋
キャンプ初心者の方でこれからアイテムを揃えるなら、オールシーズン使用できる寝袋がおすすめです。
そこで、4シーズン利用できてコスパに優れている寝袋をご紹介しておきましょう。
快眠するにはマットも重要
キャンプ初心者では、寝袋があればそのまま眠れると思いがちですが、実際にはそうではありません。寝袋の下に敷くマットがないと、背中などが痛くて寝られないケースが多いです。
テントを張る場所は土の上が多く、平らに見えても寝てみると意外に地面が凸凹しています。そのままだと気持ちよく眠ることはできません。
したがって、マットは寝袋とセットと考えておけばいいでしょう。せっかく楽しいキャンプも、気持ちよく眠れないと寝不足になり、翌日の活動に支障をきたしてしまいます。
家族で揃えて利用すると楽しい、快適なマットをご紹介しておきましょう。
まとめ
栗栖 成之
1963年広島県呉市生まれ。現在は兵庫県に在住し、1995年阪神淡路大震災を経験。
2014年からWEBライターを開始して、執筆した記事は3,000以上。
2017年に防災士を取得し、現在防災関連の記事も多数執筆中!