災コラム

防災士や編集スタッフによる
お役立ちコラムや皆様の体験談など

熊本地震の実体験|震災後2週間でやるべきことは?罹災証明書や防犯、情報収集などについて解説

2026/06/12

震災が起こった後は、その程度により状況も変わってきます。
また、場所によっては津波も来る可能性もあり、注意が必要です。
熊本震災時は2週間ほどすると自宅に戻られたり、必要な対応をしたりと復興に向けて動かれる方もいました。
今回、私が実際に経験した熊本地震の2週間後の対応を実体験にもとづいてお話をしたいと思います。
復興に向けてのスピードで一番重要なところになりますので、参考にしてもらえますと幸いでございます。

罹災証明書の手続きはスピードが求められる

(Photo AC)

罹災証明書はスピードが求められるため、遅れれば遅れるほど発行が遅れて、国の支援が受けられなくなります。
支援が受けられなくなると、自宅などが被災した場合、相当な費用が掛かります。
リフォームにしても建て直しにしても新築と変わらないくらい費用が掛かり、当時はあきらめる方もいました。
その中の大半が国からの支援が遅れたり、受けられなかったりなど、必要な時に使用できなかったという理由が多かったです。
熊本ではこれまで大きな地震がなかったため、制度自体を知らない方も多く、影響が出たようです。

罹災証明書の内容は被災状態により変わる

罹災証明書の発行においては、家の状態がどのようなものかで変わってきます。
傾きや壊れ方など国が設けた基準により判断をされるため、家の状態を少しでも修復してしまうと大規模半壊が半壊扱いされることもあります。
そのため、早めに家の状態を見てもらうか、自身で今の状態をスマートフォンなどで取得しておくことが欠かせません。
スピードが求められることであり、震災後2週間とはいえ、早めに対応しておかないと罹災証明書の発行が遅れて復興が遅れる、もしくはできないという事態になってしまいます。
また、被災後1カ月も経ち、何もしないでいるとさらに家の状態が酷くなる可能性もあり、その場合は最初に状況を見てもらっていたとしても、改めて状態を確認してもらう必要があります。
私の場合、最初半壊でしたが、1か月後に再度見てもらったら大規模半壊になりました。
半壊と大規模半壊では、「被災者生活再建支援制度」では基礎支援金が出る、出ないと分かれるため大きく違いが出ます。
また、加算支援金にも相違があり、自身の家の状態を正しく診断してもらうことが罹災証明書には欠かせません。

震災後2週間は元の場所に戻らない

(Photo AC)熊本地震時の益城町

震災後2週間は家に戻らない方がいいと当時言われていましたが、熊本では揺れもおさまり2週間経たないうちに戻られる方もいました。
その時ニュースで放送されたのが、震災後1週間で戻られた方がタンスの下敷きになって亡くなられたという内容でした。
揺れはおさまってもその影響が時間差で出ることもあり、その期間が約2週間とされていたようです。
もし、そのニュースをタイミングよく私が見ていなければ、家に戻っていた可能性があります。
2週間というのはだいたいの期間かなと思いつつも、実体験した者から見ると的を射たような期間でした。
そのため、震災後2週間は家に戻らないようにしないといけません。
もちろん、2週間経ったから安心というわけではなく、余震などにも注意しながら慎重に行動する必要があります。

中には困っている方を助けるために行動をした方も

本当に痛々しいのですが、困っている友人に水を届けるために行動していた大学生が亡くなったケースもあります。
もともと地震で地盤がゆるくなっていたこともあり、車で橋をわたっていた際に土砂崩れにまきこまれたようです。
自宅に帰って倒壊に巻き込まれるだけではなく、どこかに向かっている最中に地震の影響をうけて起こる2次災害に巻き込まれることもあります。
熊本地震が起きた当時は、誰もが助け合いを第一に行動していたので、自発的に行動される方が多かったのですが、命を守るために行動した結果、その方も災害に巻き込まれる形となりました。

防犯のために何とか自分の家に住む

(Photo AC)熊本地震時の西原村

震災当時、言いたくはないのですが、空き巣被害が多かったです。
震災後2週間程度は家に戻らないでくださいとニュースで流れていたこともあり、ほとんどの方が戻っていなかったのですが、その状況を見て家の中に入って犯罪行為をされる方がいたようです。
どうしても2週間後までは家に戻らないのですが、その後は何とか自分の家に住むことをお勧めします。
もちろん、仮設住宅などの抽選に通った方なら、そちらで生活を送ることも可能ですが、震災当時は数も少なく、ほとんどの方が利用できません。
そして、熊本ではほとんどの方が仮設住宅にはいれるようになるまで2年ほどかかったこともあり、何とか自分の家に住むようにした方がいいと思います。
防犯対策にもなりますし、家の状態が悪化するのも防げます。

自分で部屋を作る

今回の熊本震災の時に役に立ったのがDIYです。
本当に簡単なものですが、ホームセンターで4枚の大きな板を購入して釘で打ち付けて、簡単な小さな部屋を作っていました。
2階建ての家なのですが、2階は余震で崩れる可能性もあり、1階に簡単な部屋を作成して住むことにしました。
とにかくこの家にいるための対応なので、使えるものは使って、何とかすることに必死です。
本当に趣味でDIYをしていたのですが、まさか震災時に役に立つとは思いませんでした。
震災後2週間たっても工務店の方は、動けないところが多く、いかに自分で簡易的な部屋を作れるかが重要です。

震災時は仕事どころではない

(Photo AC)「がんばろう熊本」ののぼり

震災時は熊本県内で仕事ができる状態ではなく、自分のことで精一杯でした。
もちろん、それ以外にも営業できない、仕事場がないなどの理由もありました。
しかし、震災時はお金が必要になりますし、県内で売られているものを購入しようとすると価格が高く、どんどん負担が増えます。
県外の方や自衛隊の方がボランティアで食料や水を届けてくれるため、何とか生活はできますが、電気や電話料金などお金が必要なものは常に減っていくだけで不安にかられます。
私の場合は、以前から自営業としてWEBマーケティングの仕事をしており、被災していない場所からお仕事をもらい生活するためと復興するためのお金をどうにかしていました。
実体験をして感じたのですが、現在注目されている在宅での仕事は災害時にも活きると思いました。
特に、県外の方との繋がりがあると、連絡がつかないときに情報提供があるなど自分の身を守ることにもなります。
一番助かったのは震災当時で、何とかLINEだけは繋がったので、状況を県外にいる取引先の方に教えてもらえたことでした。

副業でも在宅ワークを取り入れることが大事

現在では在宅ワークを副業で考えている方も増えています。
世の中の事情も鑑みてということもありますが、災害時に県外の方と仕事という形で繋がりを持っておくといざという時に相談ができます。
副業を禁止されている職場もあるので、そちらは確認が必要ですが、もし副業が可能な職場の方がいましたら、今後も考えて視野に入れることをおすすめします。

被災時に国が設ける廃材の処分費の国の負担を上手く活用

(Photo AC)家屋解体工事

被災をすると壊れたものなど廃材が出てきます。
熊本地震当時は、廃材に関して国が負担するという制度が設けられていました。
そのため、家の中にある壊れたものなどはこういった制度を利用することで無料にて処分ができました。
しかし、期間やルールがあるので、各市町村で掲示されている内容を見る必要があります。
熊本地震の場合は、邪魔にならないように家の前においてくださいというルールでした。
しかし公道や歩道をまたがないように注意が必要で、ある程度整理して集める必要があり、人手がないとなかなか難しい面もありました。
私の場合は、以下の画像のようになんとか一人で集めましたが、体力がないととても無理でした。

廃材

特に復興する場合は、どれだけ廃材を回収してもらうかで、その後の復興費用にも大きく影響します。
そのため、普段から軽い運動などで体力を作っておくか、家の周りの方と仲良くなるなどして、もしもの時に手伝ってもらえる環境を作ることが欠かせません。

給水所や支給場所は必ずアンテナを張る

(Photo AC)ポリタンク

震災後2週間たつと、自衛隊の方や県外のボランティアの方が現地入りを始めます。
市役所前まで行くことも必要になりますが、熊本震災時はさまざまな場所にボランティアの方が出向いていました。
その場所を確認するすべが当時はなく、ほとんどの方が周りの方の情報で動いていました。
震災後2週間とはいえ、まだ各連絡が全ての地域の方に伝わるような体制がとれていませんでした。

(Photo AC)炊き出しのおにぎり

被災した方は生活の立て直しなどに追われており、そこまで余裕がありませんでした。
震災当時、私が活用したのはLINEのグループチャットです。
当時、給水所や至急場所の連絡がLINEの専用グループで流されていて、その内容を見て現地に駆けつけていました。
震災当時もそうですが、LINEだけは連絡手段や状況の把握として使えました。
いつ情報がながれるか、わからないため常にLINEなどでアンテナを張っておく必要があります。

仮設住宅の情報も拡散されていた

仮設住宅の情報は常に変化するため、アンテナを張る必要があります。
震災当時はLINEで2次募集が始まったことや新たに設置が始まったことなどリアルタイムに情報が飛び交っていました。
私自身は自宅に戻ろうとしていたので、もしものときを考えて情報は聞いていました。
当時はLINEのグループを独自に立ち上げて、情報の伝達の速さに力を入れるために活動されている方がいて、本当に助かりました。

まとめ

(Photo AC)熊本地震後の街並み(益城町)

今回、熊本震災後2週間の行動について、実体験をもとにお話をさせて頂きました。
被災して命が助かったとしても、その後は復興に追われます。
もちろん、大きな災害を経験して、周りの方や家族が無事だっただけでも本当に幸せです。
しかし、生きていくとなると復興するために必要な行動は欠かせません。
震災後2週間では、震災当時の恐怖も癒えませんし、心身ともに疲れきっています。
そのような状況の中でも、今回説明させて頂いた内容をしっかり対応しておくことで、後から必ずやっておいてよかったという気持ちになります。

関連記事「【熊本地震体験談】震災時に必要だった心構えとは?日頃からできる防災対策を解説

星原陽平さん

星原陽平

WEBディレクター
熊本県熊本市南区在住

2016年熊本市震災を経験したあと、仕事ができない人ができるようにと熊本震災の恩返しも含めて本格的に『自分らしい働き方をサポート』として独立

2020年株式会社の総合ディレクターも兼業

2022年メンバー60名を抱えるチームへと成長